2024年6月14日

『ボーダーライン: ソルジャーズ・デイ』に見る証人保護プログラム



『ボーダーライン: ソルジャーズ・デイ』(Sicario: Day of the Soldado)は、2018年のアメリカ合衆国のミリタリー・サスペンス映画で、メキシコの麻薬カルテルを描いた2015年の映画『ボーダーライン』(Sicario)のスピンオフです。

この映画では、証人保護プログラムが最後の重要な要素として描かれています。以下に、映画内での証人保護プログラムについての解説を示します。

  • ストーリーの背景:

    • アメリカ南部では中南米だけでなく様々な国籍の人間の不法入国が常態化しており、中にはイスラム過激派も少なくはない状況です。これが物語の展開を難しく指せる要素となっています(冒頭と最後の展開の乖離)。
    • 冒頭、アメリカ合衆国のスーパーマーケットで一般人を巻き込んだ大規模な無差別爆弾テロが起きます。
  • 秘密作戦の展開:

    • アメリカ合衆国国土安全保障省は、テロ実行犯らがメキシコの麻薬カルテルの助けを得てアメリカに不法入国したという仮説を立て、CIAのマット・グレイヴァ―にカルテル殲滅を依頼します。
    • グレイヴァーは、カルテルに家族を殺害された元検察官、アレハンドロ・ギリックをリクルートし、あらゆる策を使ってカルテル殲滅のための作戦を展開します。
  • イザベルの保護:

    • カルテル同士の抗争を誘発するため、アレハンドロはあるカルテルのリーダーの娘イザベルを拉致し、敵対する別のカルテルの仕業であるかのように犯行を偽装します。
    • サラッとネタバレですがテロ実行犯はカルテルと関係は無く、アメリカ合衆国上層部は偽装作戦の中止、CIA職員ではなく証人となるアレハンドロとイザベルを消すようにマットへ命令します。
    • マットはイザベルをアメリカへ入国させ、証人保護プログラムで保護することになります。アレハンドロは○○させられます。

イザベルが生き残るためにはアメリカ合衆国の諜報機関と敵対カルテルという最凶の相手から逃げ続けるしかありません。そのためには証人保護プログラムによって”別人”になって誰も知らない地で新たな人生を送るしか道はなかったのです。

この映画は、暗黒世界の過酷な現実と、証人保護プログラムを通じて生き延びる人の姿を描いています(と書きつつ証人保護の描写は一秒くらいしかありませんが)。